髪を傷めず染めるカラーリング「ヘアマニキュア」について
1980年代にヘアマニキュアが注目されるようになってから、約20年の月日が経過しています。この間、アルカリカラーが流行し、ヘアマニキュアは比較的隅に追いやられている感じですが、ダメージの観点や皮膚トラブルなどの急増などにより、改めてヘアマニキュアが注目されるようになってきています。
そんな注目されているの理由をカラーリングの歴史と共に見てみましょう。カラーの全身は紀元前ごろからすでに行われていたと言われています。
樹液や草花の色素を使って髪を染めたりしていました。酸化染料を使用したヘアカラー(1剤式)が最初に製品化されたのは1883年フランスからでした。日本ではそれから20年後の1907年に市場に出るようになり、今の2剤式の過酸化水素水を使ったヘアカラーは1916年ごろにできました。
これにより、赤味やアッシュなどの色を選べるようになったのです。そして1980年代になると女性の間でロングスタイルが流行り、しなやかでハリと透明感のあるツヤを出すことができるヘアマニキュアが大いに流行したのです。そもそもヘアマニキュアとは1剤式のヘアカラーで、酸性カラーなどとも呼ばれています。
酸化染毛剤とは全く違うものなので化粧品に分類されています。基剤とよばれるクリームやジェルなどに「酸化染料」を混ぜ込んだものです。「酸化染料」は分子量が大きいため毛髪内部には浸透せずに、毛髪表面にイオン結合して染色されます。
この染料は「-」に帯電しているので、毛髪が「+」になっている状態の時によく染まります。ヘアマニキュアは酸化染毛剤のようにジアミンによるアレルギー反応を引き起こすことがないので、酸化染毛剤で染めることができない方にも施術できるメリットがあります。
反対に毛髪表面に染料が吸着しているだけなので、酸化染毛剤にくらべて色落ちしやすく、1ヶ月くらいで落ちてきます。また、黒髪を染めてもはっきりとした色味が出にくいというデメリットもあります。
これはヘアマニキュアにはブリーチ作用が無いためです。もともと、このような酸性ヘアマニキュアはジェル基剤のものが多かったのですが、化学の研究が進むにつれ、粒子をだんだん微細化できるようになり、クリーム状のものでも安定に処方することが可能になってきました。
また、マニキュアには毛髪を染めるために、アルコール類や酸が高配合されています。アルコール類は毛髪の油分を落としてしまう傾向にありますが、トリートメント成分を高濃度に配合することができるようになり、脱脂しすぎることが少なくなってきました。また、酸は毛髪を「+」に傾けて、酸化染料を吸着しやすくするために必要な原料ですが、髪のきしみ感につながるので配合量を減らす方向で研究されています。
今後ヘアマニキュアは毛髪のダメージは気になるけど、色を楽しみたいという需要に多く応えていけることになるかもしれません。根元にヘアダイを染めてから、既染部にヘアマニキュアを塗布する方法や、ヘアダイの後にヘアマニキュアを塗布してコーティングするなどなど、これから新たな提案が美容師さんから出てくるかもしれません。